サラリーマンを辞めて独立・導入することは夢のある話です。ここでは、40代の独立に関する情報を紹介します。開業事情やフランチャイズ、独立する際に注意すべきことなどについて解説しますので、ぜひ参考にして下さい。
日本政策金融公庫 総合研究所の「2021年度新規開業実態調査」によると、開業時の年齢は40歳代の割合が36.9%と最も高く、次いで30歳代が31.3%となっています。つまり40歳代・30歳代が開業については主な担い手であるという状況であり、これは長期的に見ても変わらない傾向です。平均年齢を見ると徐々に上昇している傾向にあり、1991年には38.9歳だったものが2021年には43.7歳になるなど、40歳代を中心に開業する人が多くなっていることが窺えます。また、開業者における女性の割合も長期的に見ると増加傾向となっています。1992年には12.4%という水準でしたが、2021年には20.7%と近年では20%台で推移しています。
開業直前の職業で最も多いものは「正社員・正職員(管理職)」の41.3%となっており、勤務キャリアも「勤務経験あり」が97.2%となっています。このことからも分かる通り、多くの開業者はビジネス経験を有している状態で開業をしており、事業の決定自由も「これまでの経験や技能を活かせるから」が多くなっています。40歳代というと会社でも一定のポジションに就いていることが多く、若い人に比べると多くの経験と幅広い人脈を持っているでしょう。一定のビジネス経験を積んでから開業できるというのは40歳代で開業するメリットの一つです。
参照:2021年度新規開業実態調査│日本政策金融公庫総合研究所
最も手軽な脱サラ方法の一つに、「フリーランス」があります。フリーランスとは会社などの団体に所属せず、自由に契約して仕事を行う働き方です。自身の知識や経験、技術などを活かして個人で仕事をする形であり、雇用されるわけではありませんので労働基準法の適用外となります。フリーランスには明確な定義があるわけではありませんので、自ら名乗った瞬間にフリーランスであるといえます。個人事業として開業した場合には税務上の手続きとして開業届を提出する必要がありますが、フリーランスと名乗ることについては個人の自由です。ただし、当然すべての責任が自分にかかってきますので、それ相応の覚悟は必要になることを理解しておきましょう。
起業は一般的に「会社をつくる」ことを指します。具体的には法人設立を行い、法務局に登記することで起業したといえます。個人事業主として事業を営んでいたものの、所得が大きくなったため税制でのメリットを享受したい場合や多くのヒトを雇う場合、社会的な信用を得たい場合などに法人化されることが一般的です。銀行から融資を得たりしながらビジネスを大きくしていくためには個人では限界がありますから、法人を設立して会社として取り組むことをおすすめします。法人を設立する際には司法書士、毎年の税務申告は税理士など、必要に応じて有資格者である専門家にも相談しながら対応を進めるようにしましょう。
もう一つの選択肢としてはフランチャイズに加盟するというものがあります。ただし、フランチャイザーによっては「法人でなければいけない」「業界内で一定程度の実績・経験がある会社でなければいけない」などの要件がある場合もあります。必ず事前に確認するようにしましょう。また、フランチャイズへの加盟を検討する際には、「初期費用がどれくらいかかるかどうか、またその資金はどう調達するのか」といった点や、「固めに見積もった損益計画を前提として、何年程度で初期費用を回収できるのか」といった点についてしっかりと検討するようにしましょう。フランチャイズで他店の実績があるとはいえ、ビジネスに絶対はありません。リスクケアはしっかりと行うようにしましょう。
40歳代というと家族を持っている方も多く、中学生・高校生くらいのお子さんがいらっしゃる家庭もあるでしょう。その場合、家族の理解を得ないことには新たなチャレンジはできません。独立開業すると毎日が忙しくなり、お金の心配をすることも増えるでしょう。しっかりと家族の理解を得たうえで、事業に集中できる環境を整えることをおすすめします。
どのような業種で開業するにしても、恐らく先に事業を営んでいるいわゆる「競合」が存在するでしょう。お客様はニーズを解消するために消費活動を行いますが、「どこから買うか」についてはお客様が選択することになります。そのためまずは選択肢に入るよう認知度を高めること、そしてその次には選択肢の中からお客様に選んでもらうことが必要になります。そのためにはしっかりと競合分析を行い、他社との違いを出せるかどうかは見極めておく必要があります。
参照:2021年度新規開業実態調査│日本政策金融公庫総合研究所
独立・開業は素晴らしい新たなチャレンジです。しかし前述の通りビジネスに絶対はありません。そのため独立・開業を行う際には、「自身に経験があり顧客のニーズを満たせる可能性が高いもの」「競合分析の結果、他社との差別化が見込めそうなもの」といった勝てる可能性が高いビジネスに取り組むようにしましょう。